イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のテイラー委員は14日、ケンブリッジ大学キングス・カレッジで講演し、英国経済がハードランディングのリスクを強めていると指摘し、利下げペースの加速を求める自身の主張を改めて強調した。
テイラー氏は、英中銀がロシアのウクライナ侵攻やパンデミックに伴うインフレ対策として利上げをしてきた一方、経済の下方リスクが高まっていることで、「ブレーキを強くかけすぎたかもしれない」との懸念を強めていると述べた。

イングランド銀行金融政策委員会のテイラー委員
テイラー氏は、英国経済は「ソフトランディング」よりも「不安定な着地」となる可能性が高いと述べつつ、ハードランディングのリスクも「今や無視できない」と警告した。この場合、弱い内需がより強い景気後退を招き、抑制や逆転が困難な形で景気後退のダイナミクスが働く可能性があるとも述べた。
14日に発表された英国の失業率は予想外に上昇し、賃金の伸びも想定以上に鈍化した。市場は、イングランド銀がさらなる利下げに踏み込むとの見通しを強めている。また、国際通貨基金(IMF)の最新予測によると、英国は来年、主要7カ国(G7)の中で最も高いインフレ率と、最も低い生活水準の伸びに苦しむことになるという。
テイラー氏は、1年前に金融政策委員会に加わって以来、ほぼ全てのMPC会合で利下げに賛成票を投じるなど、最もハト派的なメンバーの一人とみられている。

原題:Bank of England Rate-Setter Sees Growing Hard-Landing Risk in UK(抜粋)
— 取材協力 Tom Rees
