欧州では最近相次いだ債務再編により、社債投資家は大きな打撃を被った。これが尾を引き、最もリスクの高い欧州社債は積極的に敬遠され始めた。

  最も格付けの低い部類に入るトリプルCの欧州社債は、通常であれば投資リスクに見合う高い利回りを提供することが多いものの、この1年にリターンをほとんど生んでいない。ブルームバーグの社債指数データによると、他の格付けグループのリターンは4%余りに上り、社債に対して飽くなき需要が続いている。

  融資の世界では状況がさらに厳しい。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによると、トリプルCの借り手に対する年初来のトータルリターンはマイナス1.8%に低下。一方、トリプルCより格付けが高いシングルBの借り手では、リターンがプラス4%となっている。

Europe's Triple C Borrowers Diverge From Peers

 

 

  トゥエンティフォー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、フェリシティー・ジャックス氏は「ハイイールド債の需要は旺盛だが、格付けが特定の水準を下回ると需要はガクンと落ち込む」と指摘。「トリプルCを買う場合には、企業価値と回収率について強い確信が必要になる。個人的には、現時点で敬遠している」と述べた。

  超低金利時代の社債発行契約で投資家の権利が希薄化され始めたこともあり、欧州では少数の投資家を犠牲にして多数の貸し手にとって有利な条件で大がかりな債務再編が行われる事例が増えている。こうした慣行は米国では以前から一般的だが、米国の市場は欧州よりも規模が大きく流動性も高いため、ハイイールド債投資家がより早い段階で資金を引き揚げることが比較的容易だ。

  ブルームバーグの指数によると、欧州とは対照的に、米国のトリプルC債は最近、これよりも高い格付けを持つ社債を上回るパフォーマンスで、スプレッドは629ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に縮小。欧州ではスプレッドが依然1000bpを超えている。

Risk Premium Higher on European Triple C Bonds

 

 

  欧州の低格付け社債に対する需要の落ち込みは、悪循環を招くリスクもある。借り入れコストの上昇で債務再編に追い込まれる企業が増え、それがいっそう需要を冷え込ませる可能性だ。トリプルCの格付けながら欧州で社債を発行できたのはオランダのフローラ・フーズ1社しかなく、それは発行がニッチな北欧で、同社の他の社債がより高い格付けを持っていたことが助けになった面がある。

  ロベコ・インスティテューショナル・アセット・マネジメントのクレジット責任者ヨープ・コーラー氏は、デフォルト(債務不履行)率は既に公表されている数字よりも高い可能性があるとの見方を示す。企業が債務借り換えに当たり、貸し手に負担を負わせる新たな手法を駆使するケースが増えているためだと指摘した。

原題:Europe’s Junkiest Junk Off Limits Amid Brutal Restructurings (1)(抜粋)

— 取材協力 Rachel Graf, Giulia Morpurgo and Liza Tetley