米議会は連邦政府機関の一部閉鎖を回避するためのつなぎ予算が期限内に未成立のまま、1日からの新会計年度に入った。米国はこれに伴い、約7年ぶりに政府機関の閉鎖に見舞われる。トランプ政権1期目と2期目を通じては3回目の閉鎖となる。

  2026会計年度(25年10月-26年9月)の本予算は成立しておらず、下院は先に11月21日までのつなぎ予算案を可決したものの、上院では共和・民主両党の対立が解消されぬまま、期限切れを迎えた。

  ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)は9月30日に各省庁に対し、閉鎖時の対応計画の実施を指示した。不可欠な業務は維持されるものの、国民向けの公共サービスの多くが停止され、数十万人の連邦職員の職務に影響が生じると懸念される。

US Government Shutdown Looms With Trump, Democrats At Odds

米議会議事堂前

Photographer:Graeme Sloan/Bloomberg

  トランプ大統領は30日、議会が深夜のつなぎ予算案可決の期限に間に合わなければ、連邦職員の解雇や民主党が支持するプログラムの廃止も辞さない構えを表明。政府閉鎖となった場合、「多くの良いこと」が生じる可能性があると述べていた。

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  29日にはホワイトハウスでトランプ氏やバンス副大統領、共和・民主両党の議会指導部が会談。民主党が求める医療保険補助金の延長や、先に成立したトランプ氏の看板政策である大型減税・歳出法に盛り込まれたメディケイド(低所得者向け公的医療保険)予算削減の撤回を巡り、双方の溝は埋まらなかった。

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  両党の対立は来年11月の中間選挙も見据えたものだが、政府閉鎖やその経済的影響は長期に及ぶ恐れもある。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は、政府閉鎖が3週間続いた場合、一時帰休となった連邦職員が短期の失業とカウントされ、失業率は8月実績の4.3%から、4.6-4.7%に悪化する可能性があると推計している。

  トランプ氏は、今回の政府閉鎖を利用し、一時帰休となる約75万人の政府職員にとどまらず、大規模な連邦職員の解雇を実施する可能性を示唆した。こうした措置は政府閉鎖による経済的影響を一層悪化させ、その余波は閉鎖期間を超えて長期化する恐れがある。

  政府閉鎖による経済への影響の多くは、歴史的に閉鎖終了後に取り戻されてきたが、必ずしも全てではない。議会予算局(CBO)の推計によると、18-19年にかけて5週間続いた米史上最長の政府閉鎖では、生産減少分110億ドル(現行レートで1兆6300億円)のうち30億ドルは回復されなかった。

  このほか政府閉鎖は、10月3日に発表予定の9月の米雇用統計など、重要な経済指標の公表の遅れにもつながる。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は金利変更を判断する上で経済データを注視しており、閉鎖期間中は重要なデータを欠いたままの対応を迫られる。

  共和党は上院でのつなぎ予算案可決に少なくとも民主党議員8人の賛成が必要としている。このため今週のユダヤ教の贖罪(しょくざい)日(10月1日夕から2日夕まで)に合わせて上院は一時休会するものの、その後再開し、民主党が妥協するまで繰り返し表決を実施する方針だとしている。

  一方で民主党のシューマー上院院内総務は、この機会を利用してトランプ氏から譲歩を引き出すよう、党内進歩派らから強い圧力を受けている。

原題:US Begins Government Shutdown With Trump, Democrats at Impasse(抜粋)

— 取材協力 Mark Niquette and Jon Herskovitz

(共和・民主両党の情報などを追加して更新します)