青森県三戸郡南部町にある諏訪ノ平(すわのたいら)駅が建替えられることが分かった。10月6日15時より駅舎を閉鎖して仮待合室の使用を開始し、その後駅舎を解体して跡地に新駅舎を建設する。新駅舎は現駅舎の半分ほどの広さで、来年2月上旬完成予定だ。

 東北新幹線の並行在来線を引き継いだ青い森鉄道線は、国鉄時代からの古い駅舎を多く抱えているが、野内駅の全面移転を除けば、駅舎の本格的な建て替えは転換以来初めてのこととなる。

駅舎(ホーム側) 屋根の高さの違いが増築の歴史を伝える駅舎(ホーム側) 屋根の高さの違いが増築の歴史を伝える

 諏訪ノ平駅は昭和8(1933)年1月15日開業。当時の所在地は三戸郡平良崎(へらさき)村で、駅周辺に人家はほとんどなかったが、駅の開業によって集落が形成されたと『南部町誌 下巻』は伝えている。

 駅舎は開業時のものだが、昭和28(1953)年10月に大幅に増築されているため、戦後の木造駅舎によく見られる窓の大きな軽快なデザインとなっている。『目で見る八戸・三戸の100年』には、戦時中に諏訪ノ平駅に到着した英霊を人々が迎える光景が掲載されているが、背景の駅舎は今のものよりかなり小さくシンプルな造りだ。開業から92年、増築からも72年が経過して老朽化が進み、白アリ被害もあって、この度建替えられることとなった。

ホーム上の庭園ホーム上の庭園

 俳優でエッセイストの黒柳徹子さんは、戦時中に諏訪ノ平に疎開しており、黒柳さんの母をモデルとした昭和62(1987)年の連続テレビ小説『チョッちゃん』の舞台の一つにもなった。

 駅近くには、南部氏の祖・南部三郎光行が創建した諏訪神社や、鎌倉幕府5代執権・北条時頼が開基した白華山法光寺などの史跡も多い。ホーム上に設置された庭園には法光寺を模したミニチュアもあるが、忘れ去られたような雰囲気だ。

 小さいながらも歴史を秘めた諏訪ノ平駅。新駅舎は名久井岳登山口や埋蔵文化財展示収蔵施設(令和9年3月開館予定)への玄関口として建設されることとなる。

諏訪ノ平駅 駅舎工事のお知らせ(青い森鉄道)

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