沖縄県のビールメーカー「オリオンビール」が東京証券取引所のプライム市場に株式を上場しました。
沖縄県に本社がある製造業としては初めての上場で、会社は、知名度の向上を海外での販売などのいっそうの強化につなげたいとしています。

オリオンビールは25日、東京証券取引所で3つある市場区分のうち、最上位の「プライム市場」に上場し、セレモニーでは村野一社長らが鐘を打って上場を祝いました。

東証によりますと、沖縄県に本社がある製造業として初めての上場で、午前中は買い注文が膨らんで初値が付かない状態が続きました。

1957年に創業したオリオンビールは国内では5位のビールメーカーですが、沖縄県内では圧倒的なシェアを持ち、独自の地位を築いてきました。

6年前には証券最大手の野村ホールディングスとアメリカの投資ファンドが株式を買い取り、新商品の開発やネット販売の強化などで収益力を高め、上場を目指していました。

会社は、上場をきっかけに知名度を高めることで、インバウンド需要を含めた県内でのビール事業やホテルなどの観光事業の基盤を固めていくほか、アメリカや台湾など売り上げが伸びている海外向けのビール事業も強化し、成長につなげていく方針です。

【オリオンビール 村野社長】
セレモニーのあと、オリオンビールの村野社長は報道陣に対し、「上場できてほっとするとともに身が引き締まる思いです。午前中、初値が付かなかったのは高い期待を寄せてもらったことの表れだと実感しています。上場で信用や信頼度が高まると思うので、今後も市場一つ一つを分析して、世界にブランドを根づかせていきたい」と話していました。

【玉城知事】
オリオンビールが、沖縄に本社を置く製造業としては初めて東京証券取引所のプライム市場に上場することを受けて、25日朝、玉城知事は県庁で取材に応じ、「いろいろな企業とのコラボレーションが広がっていくとおもしろくなるのではないかという期待感がある。観光などいろいろな分野とコラボレーションしていくとさらに期待が広がるのではないかと思う」と話していました。

【りゅうぎん総合研究所 宮国常務取締役】
オリオンビールの上場は沖縄の経済にどのような影響を及ぼすのか、民間のシンクタンク、りゅうぎん総合研究所の宮国英理子常務取締役に聞きました。

宮国さんは「上場によって今までは製造販売といった一般的な業務だったところから、投資家向けのIR広報や海外展開といった新たな仕事の機会が生まれていく。若者の県外への流出が増えてきているという話もあるなかで、新しい仕事にチャレンジできることは魅力になっていくと思う」と新たな雇用の創出に期待を寄せました。

また「県民が株式を保有することもでき、そこから利益を享受できれば、消費とか投資に対して地元で循環していくことも地元経済の活性化につながると期待している」と述べました。

一方、上場によって、買収のリスクが高まるなど、新たな課題に向き合う必要もあるということです。

宮国さんは「上場企業は環境や社会などに配慮するESG経営など、地域への貢献が求められてくると思う。どうやって持続しながら、沖縄の会社として地元に貢献していくかというところも楽しみですし、チャレンジになるのかなと思う」と話していました。