
9月25日、台湾の消防当局は、壊滅的な被害が出た超大型の台風18号「ラガサ」による死者数を前日発表の17人から14人に修正した。写真は25日、花蓮で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[花蓮(台湾) 25日 ロイター] – 超大型の台風18号「ラガサ」で東部で甚大な被害が出た台湾では25日、不明者の捜索が続けられた。亜熱帯の台湾は台風の通り道で、日ごろから台風への備えをしてきたが、今回の巨大台風では想定外のこともあり、避難指示が適切だったのか疑問が投げかけられている。
大雨による土砂崩れでできた「せき止め湖」が決壊し、洪水が襲った東部花蓮県光復郷の市街地では25日、住民や兵士を含む救助隊が、スコップやバケツ、掘削機などで泥や石を取り除いていた。「いま家に帰るのは危険すぎる。特にお年寄りには、潜在的な危険性を認識してほしい」と、ボランティアのエスター・チェンさん(26)は話した。光復の駅は運行を再開したが、主要道路は洪水で橋が流された影響で寸断されている。
消防当局は、集計に重複があったとして死者数を前日発表の17人から14人に修正した。安否確認が進み、不明者数も33人から22人に減った。
台湾行政院(内閣)の卓栄泰院長(首相)は、死者のほとんどが建物の1階で被害に遭ったとして、状況を調査する必要があると表明。行方不明者の発見に全力を挙げるよう指示した。頼清徳総統は24日、給与の1カ月分を避難住民の救援活動に充てると表明した。
<災害対応に課題>
今回の巨大台風では避難指示など課題が浮かび上がった。
被害が大きかった東部は、若者が都市に出て過疎化、高齢化が進んだ地区が多い。
花蓮県の当局者はロイターに、死亡した人の大半は、「歩くのも大変な」高齢者で、多くが家の1階部分で発見されたと語った。同県のアミ族の若者の代表は、デジタルデバイド(情報格差)が一因と指摘し「携帯電話に不慣れな人もいた」と述べた。「村長が集会を開いて説明したが、住民は実際に被害にあうまで状況の深刻さを認識していなかった」と語った。
もう一つの問題は、洪水の規模の大きさと、どこが被災するか予測が困難だったことだ。アミ族の若者の代表の村では、住民がシェルターに避難した場所が洪水に見舞われず、多くの人が上階に避難した別の場所では、想定以上の洪水が襲ったと述べた。
雨はやんだが、当局は光復の背後にある山間部のせきとめ湖に対する警報を維持している。せきとめ湖は、決壊したためかなり小さくなったが、災害の再発をどう防ぐかが課題だ。陳駿季農業部長(農相)は会見で、せき止めている堤を爆発物で爆破するのは、新たな土砂崩れを誘発する可能性があり危険過ぎると指摘した。
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