インド科学技術省(MoST)は8月21日、科学技術庁(DST)傘下のナノ・ソフト物質科学センター(CeNS)の研究チームが六方晶窒化ホウ素(h-BN)ナノフレークを用いた高分子ネットワーク液晶(PNLC)デバイスを開発し、赤外線(IR)制御によって冷房負荷を低減できるスマートウィンドウ技術を発表した。研究成果は学術誌Journal of Molecular Liquidsに2本の論文として掲載された。
赤外線は地球上の生命に不可欠だが、建物内部の不要な熱増加を招き、空調エネルギー消費を高める要因となる。研究チームは、ポリマーと液晶の複合体にh-BNナノフレークを組み込むことで、ネットワーク構造をナノレベルで制御し、赤外線散乱の大幅な増強に成功した。
ガヤトリ・ピシャロディ(Gayathri Pisharody)氏とプリヤブラタ・サフー(Priyabrata Sahoo)氏を中心とするチームが研究を進め、研究者らはナノ構造の寸法、濃度、処理温度などを最適化し、h-BNフレークがポリマーネットワークにシームレスに組み込まれる条件を特定した。
最適化されたスマートウィンドウは、高速応答でIR透過と遮断を切り替える機能を備え、光熱管理に優れたエンジニアリングデバイスとして期待される。特に大型化すれば、空調負荷の削減に直結し、エネルギー効率の高い建築・機器設計に貢献できるとされる。

上段:(a)無秩序相で重合したPNLC-BN系の模式図と、その光学顕微鏡像(左上)、FESEM像(右下)、および秩序相で重合したPNLC-BN系のFESEM像(右)
下段:小さなサイズのh-BNフレークは、その横方向サイズがポリマーファイバーのサイズと同程度であるため、より良くポリマー中に取り込まれることを示す模式図
(出典:PIB)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
