BYDはじめ中国メーカーの攻勢で、外資のシェア低落は続く。現地での電動車のサプライチェーン活用が復活のカギとなりそうだ。
販売数に占めるエンジン車は半分以下に
2025年7月、ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)は乗用車年産能力36万台の南京工場を閉鎖し、中国で経営資源の統合を進めている。三菱自動車は23年の乗用車生産撤退に続き、合弁企業「瀋陽航天三菱汽車発動機製造」でのエンジン生産も終了し、中国市場から完全撤退した。翌月、中国国有自動車大手の東風汽車はホンダとの合弁エンジン工場を売却し、傘下の「嵐図汽車」は東風日産(日産と東風汽車の合弁)武漢工場の土地を買収し、新エネルギー車(NEV)シフトを加速させようとしている。
世界最大の自動車市場の中国では、電気自動車(EV)で先行するBYDや吉利汽車など地場メーカーとの価格競争が激しく、外資系自動車メーカーは劣勢を強いられており、工場稼働率が低下しているエンジン車事業の再編を急いでいる。かつての「造れば売れる」といわれた時代に成長してきた外資系各社が中国戦略の見直しの時期を迎えている。
政策支援と海外輸出の好調を受け、25年1〜6月の中国の新車出荷台数は、前年同期比11.4%増の1565万台に達し、通年は3200万台を超える見込みだ。
一方、国内におけるエンジン車の販売台数の伸びは25年1〜6月に3.2%減となった。バッテリー技術の進化とコストダウン、充電インフラの整備や乗車体験の向上などにより、エンジン車を中心とする外資系のシェアが中国勢NEVに奪われている状況だ。
韓国勢4分の1以下に
韓国の現代・起亜は、中国で北京現代、悦達起亜の2社を展開し、16年に179万台の販売台数を記録した後、低迷し、24年の出荷台数は41万台にとどまっている。主力車種の「伊蘭特(エラントラ)」が大幅に値下げしているにもかかわらず、販売台数の増加は実現できず、新車投入や電動化戦略で後れを取っている。余剰生産能力を解消するため、北京現代は3工場を中国企業に売却した。
米ゼネラル・モーターズ(GM)の販売台数は25年1〜6月に9.4%増の89万台となり、底入れの兆しが出てきている。ラインアップの拡充や値下げ戦略の実施により、NEVの販売台数は50%増を実現した。なかでもロングセラーのミニバン「GL8」を投入したプラグインハイブリッド車(PHV)モデ…
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週刊エコノミスト
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