11日の日本市場では日経平均株価が最高値を更新した。米国のハイテク株高を受けて人工知能(AI)関連銘柄が買われた。生産者物価指数(PPI)の低下で米利下げ観測が強まったことも相場を押し上げた。円は売られ、債券は中長期債が下落した。
米オラクルがクラウドインフラ事業について強気の見通しを示し、AI関連の楽観論が継続した。ソフトバンクグループやフジクラ、アドバンテストといったAI・データセンター関連が上昇した。
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りそなアセットマネジメントの下出衛チーフストラテジストは「オラクル効果もあり、再びAIなどのテーマに市場の関心が移っている」と話した。日本銀行の金融政策を巡る市場の見方は大きく変わっておらず、引き続き「グロース株を買いやすい環境だ」と言う。
8月の米PPIは市場予想に反して前月比で低下した。関税政策によるコスト増にもかかわらず、企業が大幅な値上げを控えたことを示した。米金融当局による利下げの論拠が強まったとして、米10年債利回りは低下。市場の政策金利見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、9月の米利下げが完全に織り込まれている。
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国内株式・為替・債券相場の動きー午後3時30分時点日経平均株価の終値は1.2%高の4万4372円50銭一時4万4396円95銭まで上昇東証株価指数(TOPIX)は0.2%高の3147.76円は対ドルでニューヨーク終値比0.2%安の147円76銭長期国債先物9月物の終値は前日比10銭安の137円85銭中心限月は11日の夜間取引から12月物に移行新発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.575%-午後3時時点
【株式】
株式は値がさのソフトバンクGなどAI関連株が買われ、日経平均の上げが大きくなった。
AI関連に加えて三菱重工業など防衛関連がけん引して機械も上昇。前日に米エリオット・インベストメント・マネジメントが関西電力株を保有していることが明らかになり、電気・ガス株も高い。半面、米景気の減速懸念が重しとなり自動車や銀行は安い。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、利益確定売りの影響で値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を下回ったことを挙げ、「半導体関連や日経平均を押し上げている銘柄以外は実はあまり強くない」との見方を示した。

【為替】
円相場は1ドル=147円台後半で推移。金融政策引き締めに消極的とされる高市早苗前経済安全保障担当相が、岸田文雄前首相に自民党総裁選に出馬する意向を伝えたとの報道を受け、円が売られた。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、高市氏による出馬の意向への反応はやや過剰な印象だとした上で、欧州時間入りにかけて大きめのフローがあった可能性もあると述べた。ドル・円では11日に発表される米消費者物価指数(CPI)が注目だとし、ユーロは欧州中央銀行(ECB)の政策金利の発表で「経済予測でどの程度アップサイドをみているかが注目される」とした。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、CPIが弱めとなれば、PPIの低下と合わせて米利下げは50bpの可能性が出てくるため、「積極的にドルのロングポジションを取っていく状況にはない」と話した。

【債券】
債券は中長期債が下落。日銀の利上げ観測を背景とした売りが優勢だった。
三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャーは、10月4日に予定される自民党総裁選は「国政選挙ではないため、日銀利上げのタイミングへの影響は限られる」と指摘。10月の利上げを見込んでおり、市場の織り込みは十分ではないと話す。新政権の下で財政が拡張される場合、短中期ゾーン中心に国債が増発される可能性が高く、短いゾーンの金利先高観は強いと言う。
スワップ市場が織り込む10月までの利上げ確率は3割強、年内は6割前後で推移している。日銀は午前10時10分に定例の国債買い入れオペを通知。対象は残存期間1年超3年以下、5年超10年以下、10年超25年以下、25年超で、いずれも買い入れ額は据え置かれた。
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債5年債10年債20年債30年債40年債 0.855%1.115%1.575%2.645%3.225%3.460%前日比+0.5bp+0.5bp+1.0bp+1.0bp-0.5bp-1.5bp
