
8月18日、 中国の経済政策担当者は現在、難しい岐路に立たされている。北京で13日撮影(2025年 ロイター/Maxim Shemetov)
[香港 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 中国の経済政策担当者は現在、難しい岐路に立たされている。習近平国家主席が進める過剰生産能力削減策の影響で、第3・四半期の経済成長は鈍化する見込みだ。不動産価格を押し上げようとするさまざまな取り組みもこれまでのところ効果を上げていない。
株価回復を支えるため追加利下げが実施される可能性は高い。ただ、デフレ回避には持続可能な需要を創出する必要があり、その実現は難しい状況だ。
上半期の中国経済は厳しい逆風に直面しながらも、比較的うまく乗り切り、国内総生産(GDP)成長率は5.3%を記録した。しかしその後は多くの主要経済指標が予想を下回る結果となった。特に顕著なのは、7月の固定資産投資が前年同月比で5.2%減少したことだ。新型コロナ禍のリセッション(景気後退)を除けば、これは過去20年間で月次ベースとしては最大の減少幅となる。モルガン・スタンレーのエコノミストは、第3・四半期のGDP成長率が4.5%に減速すると予想している。
習氏は貿易相手国との緊張を和らげながら、過剰な競争と生産能力を抑制しようとしている。問題はこれが2020年以降の長期不況につながった不動産セクターの大規模な負債削減政策と同様に、産業政策の構造的な転換を意味するのかどうかだ。
中国政府は昨年以降、不動産価格と株価を再び上昇させることを目的とした一連の景気刺激策を打ち出してきた。資産効果により消費者の信頼感と消費を刺激するという期待があった。しかし、この計画はこれまでのところ半分の成果しか上げていない。中国株は反発し上海総合指数(.SSEC), opens new tabは過去12カ月で約30%上昇したが、住宅価格の下落に歯止めをかけるまでには至っていない。
A chart showing the 1-year performanc of the Shanghai Composite Index
中国人民銀行(中央銀行)には、少なくとも十分な利下げ余地がある。先週発表された四半期報告書で、人民銀は構造的な金融政策手段を効果的に活用することで「合理的な物価上昇率」を実現すると改めて表明した。金利が低下すれば、より多くの預金者が高いリターンを求めて株式市場への投資を増やす可能性がある。
小売売上高は今年上半期には買い替え支援策によって押し上げられたが、政策効果が薄れたことで7月は3.7%増と、24年12月以来の低い伸びにとどまった。消費者物価指数(CPI)は横ばいだが、生産者物価指数(PPI)は34カ月連続で下落している。また、信用需要も「赤信号」が点灯した。7月の新規銀行融資は予想外のマイナスで、20年ぶりに減少した。
持続可能な消費者需要を創り出すことは、過剰生産能力を吸収し経済成長を再び活性化させる最も効果的な方法となり得る。政策当局は来年から始まる新たな5カ年計画の策定において、この点を最優先課題に掲げるかもしれない。しかし、停滞する経済にとってそれは待てないほど先の話だ。
●背景となるニュース
*中国7月指標、鉱工業生産・小売売上高が減速 予想も下回る もっと見る *中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅な落ち込み もっと見る *中国銀行融資、7月は20年ぶり減少 社会融資総量+9.0% もっと見る (筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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