昔々のお話、もう10年以上前のことになりますが、私の友人の弟が自己破産をしました。理由はシンプルで、数百万円の借金をパチンコでこしらえてしまったという、なんとも昭和感漂う理由です。
その友人は地方出身で、弟さんも地元の工場に就職していました。都会の方にはピンとこないかもしれませんが、日本の地方には今でも「娯楽=パチンコ」という文化が根強く残っており、休日ともなれば大型パチンコ店の駐車場は満車、店内は立ち見が出るほどの盛況ぶりだったりします。私も15年以上前、関西ののどかな町に住んでいた時期がありますが、国道沿いを少し車で走れば必ず派手な看板のパチンコ店が目に入り、その人気ぶりにベッドタウン育ちの私は驚いたものです。
さて、その友人の弟。数百万円という借金は確かに大金ですが、両親は共働きで「全く返せない額」ではありませんでした。けれども、親御さんはこう考えたそうです。今この借金を親が肩代わりしてしまったら、息子は将来もっと大きな額を借金するかもしれない、と。そこで、あえて自己破産させたとのこと。結果的に弟さんは、精神的な支えは受けつつ、経済的な立て直しは自らの力のみで行い、家族の絆はむしろ深まったそうで、私はこの話を聞いたとき「なんて大した親御さんだろう!」と感心しました。
もし自分の子どもが同じ立場になったら、果たして同じ決断ができるだろうか。まだ子どももいなかった当時の私は、つい「いや、立て替えてしまうかも…」と思い、ずいぶん考え込んだものです。
時は流れ…先日のこと。
それは、何でもない夕食時
小4の次男が、お肉を頬張りながら突然こう切り出しました。
「お母さん、7万円ってなんとかならない?ぼくの誕生日に7万円とかくれたりしない?」
……え?何その額面。お小遣いのケタ、間違えてませんか?と心の中でツッコミながらも、どうしたのか理由を聞くと、少し言いにくそうにしながらも「これは今話しておかなければ」という様子で説明が始まりました。
どうやら「超レアなポケモンカード(ポケカ)がネットで発売される」らしく、そのカードは今は7万円だけど将来的に300万円の価値になる“予定”だとのこと。お年玉と貯金をかき集め、さらに兄の貯金も合算し、誕生日プレゼントを前借りしてでも買いたいというのです。
いやいや、7万円が300万円?そんなうまい話があるかい!騙されるのは小学生くらいやろ……と思った瞬間、あ、そうか、君、小学生だったね、と妙に納得する自分もいました。
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7万が300万円になるんですって!
