中国当局は国内の証券会社やシンクタンクに対し、ステーブルコインに関する調査報告の発表やセミナーの開催を中止するよう促している。事情に詳しい関係者が明らかにした。暗号資産(仮想通貨)が引き起こし得る不安定化の回避を図っている。

  大手の証券会社やシンクタンクの一部は、7月後半から8月初旬にかけ金融規制当局から指導を受け、セミナーの中止や調査研究の発信停止を求められたという。

  法定通貨などを裏付けに発行される仮想通貨であるステーブルコインが、中国本土において新たな詐欺手段として悪用される可能性があることも、当局が懸念する理由の一つだ。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

  中国は仮想通貨関連の取引を禁止しているが、最近の当局者発言はそうした姿勢が軟化しているとの観測を呼んでいた。禁止措置にもかかわらず、店頭取引は活発で、2024年1ー9月には750億ドル(約11兆円)相当が売買されたとブロックチェーン分析会社チェイナリシスは推計している。

  当局は香港をデジタル資産のハブ(中心地)とする方針。香港でステーブルコインの発行体を対象とした法整備がなされ、本土企業の関心が急速に高まった。

  中国証券監督管理委員会(証監会)と中国人民銀行(中央銀行)はファクスでのコメント要請に対し、すぐに返答しなかった。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行の通貨ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏(シンガポール在勤)は、「特定の資産クラスに投資家が群がるような過剰な注目が集まることを避けたいと中国の政策当局は考えている」と指摘し、「暗号資産に対する理解が不十分なまま投資家が殺到することも警戒している」と述べた。

原題:China Tells Brokers to Stop Touting Stablecoins to Cool Frenzy (抜粋)